「市民参加型ユニバーサルデザインのまちづくり」
                                関根 千佳 氏
           (佐賀ユニバーサルデザイン推進会議アドバイザー、㈱ユーディット代表取締役社長)

                                     
 いよいよ嬉野でユニバーサルデザイン全国大会が開催される。全国の自治体や企業が、佐賀県がどこまでユニバーサルデザインを理解して進めて来たかを、確認するときが来たのだ。ベビーカーですれ違えるまち、プラチナ世代を満足させる高品質で使いやすい商品、海外からのお客様をリピートさせるサービスなど、多様な年代やニーズを持つ人々に、佐賀がどれだけ真剣に向きあってきたかが問われている。
 全国で初めての「温泉地」での開催。かつて長崎街道の宿場町として人々を癒してきた嬉野が、今は日本で最も優しいおもてなしをする温泉街として訪れる人を癒すのだ。
 佐賀は少し地味な印象がある。長崎生まれ、博多育ちの私は、佐賀の親戚や友人はたくさんいるが、みな質実剛健だ。でもだからこそ、信頼できるのだ。
 嬉野のお湯は素晴らしい。お豆腐はイソフラボンが豊富だ。お茶も美容にいい。女性に嬉しい要素がたくさん詰まっている嬉野なのだから、もっと歩いて楽しく、滞在して嬉しい街になってほしい。良いものはたくさんあるのに、まだ磨かれていないし、国内外の潜在顧客にきちんと情報発信されてもいない。住んでいる市民や訪れた顧客の言葉で、もっと情報が発信されたら、まちの財産になるのだが。
 総務省のICT人材育成プログラムも、市民参加型ユニバーサルデザインのまちづくりを支援するために付いた助成金である。市民や観光客や、たくさんの人々が、その街を愛し、その街をもっと良くしたいと思って、課題を伝え、いい点を褒める。それがあすの嬉野、佐賀県、九州全体の観光を、行政を改善していくのである。
 この大会が、10年後、30年後の佐賀を変えるだろう。世界最高齢国家となった日本の経験が、今後高齢化するアジア各国のお手本となって世界を救うように、嬉野の市民たちの声の集積が、いつか日本の街や観光の在り方を変革し、そして救うかもしれない。大会の成功を望んでやまない。