「UDものづくり」
                                 田村 房義 氏
             (佐賀ユニバーサルデザイン推進会議アドバイザー、TOTO㈱UD研究所企画主幹)

                                     
 ユニバーサルデザイン(UD)とは、「年齢、性別、身体的状況、国籍、言語、知識、経験などの違いに関係なく、すべての人が使いこなすことができる製品や環境などのデザインを目指す概念」と百科事典にある。
 私が勤める会社では「一人でも多くの人に使いやすい」ことを目指して、水まわり商品の開発に取り組んでおり、身近なところからユニバーサルデザインを紹介したい。
 日常生活の中の調理・入浴・洗面・排泄などは、誰もが毎日、当たり前に行う行為であり、水まわり商品は、「毎日必ず使うもの」「みんなが必ず使うもの」である。だから、「ユニバーサルデザイン」という言葉がクローズアップされる前から、企業の社会的責任として、多様な身体状況や年代、家族構成やライフステージの変化に対応できるよう、"生活になくてはならない,,商品づくりを行ってきた。
 2006年にはユニバーサルデザイン研究所(神奈川・茅ヶ崎市)を設立し、快適な商品の開発に取り組んでいる。具体的には、お客さまとの対話を重ね、使われている場面を観察し、その気付きをものづくりに反映している。その商品開発の仕組み(マーケティング~商品企画~開発~生産~販売~販売後の使用実態確認という開発プロセスのさまざまな場面で、生活者に評価いただく)を「UDサイクル」と名付け、これを継続していくことで、より良い商品づくりに取り組んでいる。
 "生活者に評価いただく独自のしくみ,,の代表的なものの一つに、「生活シーン検証」がある。商品開発の各ステップで行っているが、研究所内の検証スタジオに実生活空間を再現して、商品・試作品などを、お客さま(実生活者)に実際に使用していただき、一連の操作、行動を観察している。
 水まわり商品は、水量・水温などの違いで使いやすさや快適感に大きな違いが出るため、極力「いつもの使い方を自然に行ってもらう」ことが評価する上で大切である。